機関名 | 国立大学法人福井大学 |
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取組のタイトル | Zoomを用いた協働探究の取組 |
実施地域(国・都市) | 日本(福井県) |
今年度、福井大学教職大学院には98名の院生が在籍しています。開設当時と比べ約3倍の在籍者数となり、関係団体も大幅に増え、学び合うコミュニティとして大きく広がってきています。そんな中、今年度のスタートという、まさにその時に新型コロナウイルス感染症の影響を受けました。大学も登校禁止状態になり、感染拡大防止で3密を避けるために、お互いの実践を語り合い傾聴し合うカンファレンスを中心とした教職大学院での密なる学びが、全て否定される状況に陥りました。これは、カリキュラムの遂行はもとより、危機管理の上でも、大変衝撃的なことでした。
4月初旬から、今年度の取組をどう進めていくか、スタッフ間で議論を重ねていました。研究科長からオンラインを使って、例年通り、カンファレンスを行うことが提案され、その提案をスタッフで共有して、動き出しました。準備として、まず、スタッフ全員でZoomの練習を行いました。院生にはZoomの手引きの送付、Wi-Fi環境調査、接続実験会とカンファレンス準備会の伝達等を、これまでのスタッフと新しく異動してきたスタッフが協働で進めました。そして、4月25日と5月2日、例年の4月カンファレンスとほぼ同じ内容で、Zoomによるカンファレンス準備会が実現しました。
これをきっかけに、ある学校では、県が配置した遠隔システム用の巨大モニターを活用し、院生である学年主任がZoomをセットし、Zoomを通して校長・教頭・研究主任などと大学スタッフを結びました。その後、学校再開の目処が立ってから、大学スタッフが学校を訪問し、校内研究会での話題提供、それを受けた授業づくりについて、小グループに分かれ、先生方と議論を行いました。先生方が、コロナ禍の非常事態で大変な中、授業について熱く語り、他の先生方の話を深く聞く姿から、授業へのぶれない情熱が直に伝わってきました。先生方のモチベーションの高さや情熱、その熱量は、実際に会ったからこそ感じられたことだと思います。
その後、5月カンファレンス、スタッフによる振り返り、マネジメントゼミ、実践研究福井ラウンドテーブル、これらすべてがZoomを使って実施されました。マネジメントゼミは、昨年度までオンサイトでやっていましたが、今年度はZoomで行っています。Zoom活用のよさは、「移動時間なし」「チャット・反応・手を挙げる」等の機能により、複数メンバーで双方向のやりとりが可能になることです。チャットは記録としても残ります。「旅費や場所」の心配もありません。
課題としては、「視聴が長時間になると脳や眼が疲れること」、「場の空気や雰囲気が分かりづらいこと」、等があります。ただ、やはり、子どものつぶやきを直に聞き、その姿を直に見る授業参観、そこで見取った子どもの学びを真ん中において語り合う研究会、これは、Zoomではできないことです。学校において児童生徒や先生方の雰囲気・熱量などを、空間と時間を共有して3次元的に見取れるという対面での活動に、オンラインも取り入れ、今後は両者の良さを生かしながらハイブリッドで取り組む予定です。
URL | 福井大学大学院・福井大学・奈良女子大学・岐阜聖徳学園大学 連合教職開発研究科(連合教職大学院) | 連絡先 | dpdtfukui@yahoo.co.jp |
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