第4回教育協力ウィークで国際教育協力共創セッションを開催しました

教育協力ウィークは、教育協力プラットフォーム構築のため、独立行政法人国際協力機構(JICA)、大学、NGO、開発コンサルタントによって令和3年よりスタートしたイベントです。第4回の今年は9月2日(月)~13日(金)に開催されました。

EDU-Portニッポンでは今回、JICA人間開発部との共催により「国際教育協力共創セッション~ご関心の国や課題別で情報交換・ディスカッション・ネットワーキングをしませんか~」と題するセッションを9月5日に対面形式で開催し、34名の方に参加いただきました。

途上国における教育課題が高度化、多角化する中で、そのニーズに応えるため、民間企業、大学、地方自治体等、多様なステークホルダーが情報、ノウハウ、経験を共有し、パートナーとして国際教育協力に取り組むことが求められています。本セッションでは、民間企業からの経験共有、個別相談・情報交換を通じて、様々なステークホルダーがノウハウや経験を共有し、国際教育協力における新たな共創のきっかけづくりとなることを目指しました。

会場の様子

JICA教育・民間連携事業、EDU-Portニッポン事業の紹介に続き、ヤマハ株式会社、学校図書株式会社より、国際教育協力に民間企業が参加する意義、JICA技術協力プロジェクトへの参加が様々な形の教育協力に発展した事例、JICA民間連携事業、EDU-Port等のスキーム活用のメリットなどについてご紹介いただきました。

ヤマハ株式会社は、楽器に触れる機会に恵まれない多くの子どもたちに演奏の機会を提供し、音楽・楽器の楽しさを伝えるため、公教育における音楽と楽器を使った活動の普及を目指した「スクールプロジェクト」を各国で展開しています。同社楽器・音響営業本部AP営業統括部の白鳥様には、公教育にアプローチする際、文部科学省EDU-Portニッポン応援プロジェクトのほか、JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業、外務省や日本貿易振興機構(JETRO)といった公的機関による公募事業を活用することのメリットをご紹介いただきました。具体的には、相手国政府関係者と対等な立場で交渉できる、企業としてはSDGs推進やESG投資などの「非財務目標」として活用できる、などのメリットが挙げられます。
ヤマハ株式会社の発表
学校図書株式会社編修部の駒沢様とアイ・シー・ネット株式会社の伊藤様には、パプアニューギニアにおける小学校の算数・理科教科書と教師用指導書開発の取組についてご紹介いただきました。同社はJICA技術協力プロジェクト、中小企業・SDGsビジネス支援事業、現地教育省と同社の直接契約、及びEDU-Portニッポン応援プロジェクトと総務省委託事業の組み合わせにより、小学校の算数・理科教科書とタブレットにインストールする教師用電子指導書の開発を行い、算数ワークブックの普及を目指しています。
学校図書株式会社の発表

その後の個別相談会・名刺交換会では、インクルーシブ教育において、関係各国ではICTの利活用、障害者に配慮した施設設備、視覚・聴覚特別支援学校での指導法、特別支援学校教員の養成等に関心が高いことが共有されました。また、教育の質の向上・教員の負担軽減においてデジタル教材の果たす役割がある一方で、教材を展開する上で各国のインフラ整備の状況が課題であること等の意見交換がなされました。懇親会にも21名にご参加いただき、皆様が熱く語り合う姿が見られました。このセッションをきっかけとして、様々なステークホルダー間での共創を通じた教育課題の解決事業の実現につながると幸いです。

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