モルディブの教員グループの視察について
令和6年5月18日~25日、モルディブの教員グループ計15名が来日しました。EDU-Portニッポンでは、海外の教育関係者による日本の学校視察を支援する「スクールビジット」の一環として日本視察に協力し、幼稚園や学校訪問等の調整や視察の同行を行いました。
今回は、2017年に独立行政法人国際協力機構(JICA)横浜センターにて実施された課題別研修「障がいのある子どもへの教育制度~特別支援教育を活かしたインクルーシブ教育システムの構築~」に参加したモルディブの教員であるSHAKIR Mariyam Shathrath氏から依頼を受け、実施に至りました。
同氏から、本視察の感想が寄せられましたので、ご紹介します。
以下、原文から一部抜粋
寄せられた感想
今回のプログラムでは、特別支援教育や早期介入、職業訓練をはじめとする日本の教育システムについて知見を得ることが目的でした。今回、モルディブの教員たちはさまざまな学校現場や教育実践を視察することができました。
なかでも印象的だったことは、日本における早期介入制度です。日本では、子どもが幼い頃から自治体による健診やスクリーニング、教育機関による聞き取りなどによって、個々の状況を把握し、サポートがなされていることを学びました。モルディブにおいても同様のアプローチが可能か、今後検討していきたいです。
また、視察先の東京学芸大学附属小金井小学校では、日々の教育実践にどのようにICTを活用しているかについて学びました。そして、ICTの活用は、特別な支援が必要な児童にとって有益なだけでなく、すべての児童が積極的に授業に参加することをも可能にすることを学びました。
もうひとつ印象に残っていることは、特別支援学校高等部における職業訓練プログラムの実践です。高等部の生徒が、学校を卒業したあと社会で働くためのスキルを身に付けるため、学校において様々な活動が行われていることを学びました。
私たちモルディブの教員にとって、日本の好事例を学ぶことは、非常に重要な意味があります。日本の教育システムから得られた知見をモルディブに持ち帰ることは、モルディブの教育の質を向上させることにも役立つことと思います。
視察風景
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就学前教育におけるインクルーシブ教育の実践について学ぶ視察者
(学校法人金子学園武蔵野幼稚園、2024年5月21日) -
通常学級におけるICTの活用と合理的配慮について学ぶ視察者
(東京学芸大学附属小金井小学校、2024年5月22日) -
インクルーシブ教育の推進に向け視察での学びを振り返る様子
(2024年5月24日)