「モンゴル授業研究協会」スタディツアー一行が今年も日本の教育現場を視察しました

 令和6年10月25日(金)から11月1日(金)まで、モンゴル授業研究協会(注)が主催する日本スタディツアーが開催され、モンゴルの教職員14名が参加しました。このスタディツアーは、日本の学校、そこで展開される教育実践の視察を通じ、モンゴルの教育関係者が学習者中心の指導方法について理解を深めることを目的としています。

 モンゴル授業研究協会は昨年11月にも日本スタディツアーを開催しており、EDU-Portニッポンは昨年度に続き今年度も、「スクールビジット」の一環として、このスタディツアーの学校訪問の調整や視察の同行を行いました。

 10月28日(月)には、東京学芸大学附属小金井小学校を訪問し、全校朝礼、6年生の算数と2年生の国語の授業を参観し、授業者(加固希支男教諭、小池翔太教諭)との意見交換を行いました。授業の合間には教室や給食の様子なども視察し、日本の小学校での取組について理解を深めることができました。また午後には、東京学芸大学教職大学院・理科教育学教室 渡辺理文准教授の講義を通じて、教材研究について理解を深めました。

  • 小金井小学校視察の様子(令和6年10月28日)
  • 教材研究に係る講義の様子(令和6年10月28日)

 翌29日(火)には千葉県の習志野市立津田沼小学校で開催された体育公開研究会「仲間と共に高め合う体育学習」に参加し、研究授業のほか、全体会、分科会にも参加しました。また31日(木)には、栃木県宇都宮市に立地する星の杜中学校・高等学校を訪れました。同校は文部科学省令和6年度DX ハイスクール採択校であり、探究的な学びを中心に据えた学校づくりや授業におけるICTの活用について紹介を受けました。

  • 体育公開研究会(全体会)参加の様子(令和6年10月29日)
  • 星の杜中学校・高等学校視察の様子(令和6年10月31日)

 モンゴルでは各学校に研修予算が配賦されるようになり海外視察にも活用可能となったことから、参加者14名のうち6名は勤務校の研修予算で日本訪問・滞在費の半分を賄い、残り8名は全額個人負担で来日しました。参加者へのアンケート結果からは、今回の訪問を通じ、各人の目的が達成できたこと、日本の教育に対する理解や関心が深まったことが分かりました。また、以下の様な感想が聞かれました。

  • 日本の学校では、子どもがどのように育つか、未来の顔を思い浮かべて教育目標を立て、それをカリキュラムに反映させていることが分かった。知識やアカデミックな能力を向上させるだけではなく、文化を大切にし、自立して社会生活を営めるようステップ・バイ・ステップの指導が行われていた。
  • 教員が実験して見せるのではなく、子ども自身が実験の方法も考えていた。子どもが学ぶ方法を身に付けることができていた。
  • 子ども自身が今後を選択できるよう問題解決能力を育んでいた。子ども一人一人が目的を持ち、目的を達成するために何をすべきかを考えていたのが素晴らしい。

 モンゴル授業研究協会では、参加者が帰国後、日本で視察したことを学校運営や指導にどのように活かしているのか、フォローアップを実施する予定とのことです。

(注)モンゴルでは平成18年~平成25年まで、独立行政法人国際協力機構(JICA)が技術協力プロジェクト「子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクト」を実施しました。「モンゴル授業研究協会」は、プロジェクト終了後も子ども中心の指導法を実現すべく指導法改善に取り組むことを目的として、モンゴル側関係者が設立したNGOです。

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