令和6年11月1日(金)から11月8日(金)まで、モンゴル国ウランバートル市第53学校から12名の教員が来日し、日本の小中高校の取組を視察しました。第53学校は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施していた技術協力プロジェクト「モンゴル国障害児のための教育改善プロジェクト」(平成27年~令和6年)の対象校であり、本スクールビジットは特にインクルーシブ教育に係る実践の視察を目的としました。
11月2日(土)には、東京学芸大学附属小金井小学校で開催された「個別最適な学び」研究会において、国語の研究授業「言葉から連想を広げて」(授業者:鈴木秀樹教諭)を参観しました。
6日(水)には、神奈川県にある聖ステパノ学園小学校・中学校を訪問しました。同校は、第二次大戦後、孤児の保護・養育、自立支援を目的に創設されたエリザベス・サンダース・ホームを礎としており、現在でも子どもたちの様々な個性を包摂的に受入れ、適応力を育む教育を実践しています。スクールビジット参加者は、佐藤紀明校長から学校生活や指導上の工夫等について説明を受けたほか、校内、部活動の様子を見学するとともに、ハンドベル部による演奏を聴きました。
7日(木)には、不登校を経験した生徒が学習を続けられるよう創設されたチャレンジスクール、東京都立世田谷泉高等学校を訪問しました。同校では生徒の多様な学習ニーズに応える柔軟な学びの実現に向け、生徒が学ぶ時間を午前・午後・夜間から選択でき、多様な科目から興味・関心に応じて受講できる総合学科制をとっているほか、教員、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーがチームになって生徒支援にあたっています。スクールビジット参加者は、沖山栄一校長や自立支援担当教員と日本とモンゴルの教育の違いや共通する課題等について意見交換も行いました。
参加者からは以下の様な気付きが聞かれました。
- 訪問した学校では、子どもを尊重し、子ども自身が知識を構築していくことができる教育が行われていた。子どもが自由に考える中で、考え方を養うことができていた。
- 日本の教育は基本的に、生活に即した内容を扱い、子どもたちが社会で生きていく準備を行っていると理解した。
- 教員、カウンセラー、ソーシャルワーカーがワンチームとなり、学校全体で子どもを支援していた。
モンゴルに帰国後の11月11日(月)には、早速、同校の立地するウランバートル市バヤンズルフ区教育課に対し、日本での学校視察について報告を行ったとのことです。