SEAMEO-Japan ESD Award優勝校AL-YA’ LU Superior Elementary Schoolの児童が日本を訪問しました

SEAMEO-Japan ESD Awardは、文部科学省と東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)が共催する懸賞事業で、SEAMEO 加盟国内(注1)の小・中・高等学校を対象として、持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)に関する優秀な取組事例を表彰することで、域内の ESD の取組を促進するものです。

令和5年度の優勝校は、インドネシア・マラン市の小学校AL-YA’ LU Superior Elementary Schoolでした。同校は「環境にやさしい行動改革」をテーマに、学校の竹林の落ち葉とサトウキビの搾りかすからペレットを作って給食の燃料にしたり、給食などから出る有機性廃棄物を家畜のえさやコンポストにするための粉砕機を作ったりする取組を行ってきました。教室での学習と日常の実践の両方を通じて、有機性廃棄物のエネルギー源としての価値を学ぶ点、入手しやすい材料を用いて校内の課題解決に取り組むアプローチ、環境問題の解決を児童が身近に考えるきっかけとなる点などが高く評価されました。

 優勝校には副賞として日本訪問の機会が提供されます。令和6年9月9日~13日、同校の児童4名、校長及び教師、SEAMEO職員が来日し、駐日インドネシア大使館、文部科学省大臣政務官を表敬したほか、東京都の中央防波堤埋立処分場、東京都水道局の広報施設「虹の下水道館」を訪問し、日本の廃棄物処理や下水処理について理解を深めました。

 また、9月11日には神奈川県大和市立下福田小学校を訪問しました。AL-YA’ LU Superior Elementary Schoolの児童が「環境にやさしい行動改革」の取組やインドネシアの伝統的な遊びを5年3組の児童に紹介したり、逆に日本の児童から日本の地理、日本語、音楽、食文化について紹介したり、一緒にドッジボールを楽しんだりしました。「書写」の時間には習字も体験しました。

 下福田小学校に到着した際には緊張した面持ちのインドネシアの子どもたちでしたが、5年3組の児童が事前に学習したインドネシア語や翻訳ソフトなどを使って話しかけたり、廊下ですれ違う他の学年・クラスの児童が挨拶してくれたりするうち、すっかり打ち解けた様子でした。限られた時間でしたが、両国の子どもたちが、異なる言語や文化に触れた経験、相手に思いを伝えようとした経験、国は違えど同じ年ごろの子どもとして一緒に走ったり、ボールを投げ合ったりした経験を得ることができました。

 AL-YA’ LU Superior Elementary Schoolの校長は「近い将来、日本に留学する子どももいるかもしれない」と語りました。下福田小学校でも、インドネシアだけではなく他の国にも目が向き、海外との関わりをポジティブに捉える子どもたちの発言が聞かれるようになったとのことです。両国の子どもたちに小さいけれど確かな変化が生じた1日でした。

(注1) ASEAN諸国及び東ティモールの11か国。

  • 5年3組での自己紹介
  • 日本の食文化の紹介
  • 習字の体験
  • お別れの様子
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