すららネットは、2018年度Edu-Portニッポン公認プロジェクト「小学生向けデジタル算数教材の海外展開事業」の取り組みの一環として、2019年8月から9月にかけて、「すらら全国算数計算コンテスト・すららフェスティバル」を実施しました。
すらら全国算数計算コンテストは、日頃「Surala Ninja!」(注)で学習する児童、更にはスリランカ全国の小学1年生~6年生を対象とする全国規模のコンテストで、290人が参加しました。本コンテストは予選と決勝の二部構成から成り、予選はスリランカの主要6都市で、決勝は首都・コロンボで実施されました。決勝には在スリランカ日本大使館、スリランカ教育省、スリランカ教育機関の代表、更にはスリランカのメディアが参加し、大きな盛り上がりを見せました。
(注)「Surala Ninja!」は弊社が独自に開発した小学生向けにインタラクティブなアニメーションを通じて加減乗除の四則計算を楽しく学べる e-ラーニングシステムです。現在、スリランカ向けのシンハラ語版、インドネシア向けのインドネシア語版、また、主にインドで活用されている英語版があります。
実力伯仲する予選を勝ち抜き、本コンテストの頂点に立ったのはピニディ・ウプニャさん(Ms. Pinidi Upunya)です。ピニディさんはコロンボ近郊のすらら塾に通う小学5年生で、決勝では100問の掛け算の問題を、正答率100%、計算スピード2分9秒、という記録を打ち出しました。コンテストで優勝できた秘訣を聞くと、「毎日コツコツとSurala Ninja!で学習を継続したこと」という声を寄せてくれました。
全国算数計算コンテスト決勝の後には、すららフェスティバルを開催し、700名以上の児童と保護者が参加しました。すららフェスティバルを通じて、スリランカの児童たちは算数の概念を取り入れた様々なゲームや日本の伝統的な縁日ゲームを体験し、学ぶことの楽しさを実感したり、日本の文化に触れたりしました。スリランカでは、「学び」を遊びやゲームと結びつけて体験することができる機会が少なく、児童の保護者からは、コンテストへの参加や楽しいゲームを通じ、学校外で算数の知識を使うことで、子どもたちの学習へのモチベーション向上にもつながったとのコメントを多数いただきました。
算数のコンセプトを取り入れたゲームや縁日ゲーム(輪投げ)で楽しむスリランカの児童達 |
EDU-Portニッポン公認プロジェクト「小学生向けデジタル算数教材の海外展開事業」では、「Surala Ninja!」を導入して児童が学習する小学校や塾の運営強化や「Surala Ninja!」の授業運営を担うファシリテーターの能力強化を図るための本邦招聘事業も実施しています。当事業で日本の小学校を見学したファシリテーターは、「日直制度」「掃除活動」「(給食などの)係」といった、児童の自立やリーダーシップをはぐくむ活動に感銘を受け、同活動を「Surala Ninja!」の授業運営に取り入れることを自ら提案し、実行しています。それにより、以前は「Surala Ninja!」の授業運営だけに意識が集中してしまいがちでしたが、今は「Surala Ninja!」の授業運営に加え、授業前の手洗い、授業後のパソコンの掃除、学習ファイルの整理整頓を励行するなど、より効果的で規律あるクラス運営がされるようになりました。この結果、クラスの子どもたちの学習態度はより一層改善され、授業への集中力も高まりました。本邦招聘事業はファシリテーターの成長や授業運営の改善に大きな効果をもたらし、それが学力向上だけでなく、子どもたちのやる気や学習態度の改善にもつながっています。
すららネットでは今後もe-ラーニングシステム「Surala Ninja!」を活用した授業運営や、全国算数計算コンテスト、すららフェスティバルといったイベントの運営を通じ、スリランカの子どもたちの学力向上を図ると同時に、自立心やリーダーシップの育成に向け活動を継続していきます。
スリランカの事業は、弊社現地パートナー企業(Next Learners (Pvt) Ltd.)のFacebook(FB)ページで詳細をご紹介しております。