名古屋産業大学は、学校法人高田学苑 高田中・高等学校と共に、CO2吸収効果の高い緑化木の調査を通じた児童生徒の環境リテラシー育成に取り組んできました。令和3年度からはEDU-Portニッポンの応援プロジェクト、調査研究事業として、その取組をベトナム、ネパール、台湾、インドネシアの小・中学校・高等学校に展開しています。
こうした取組が評価され、名古屋産業大学と高田中・高等学校は「小・中学校、高等学校における緑化木調査の系統的支援と海外展開」で令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰を受賞しました。平成29年度から7年にわたり、日本とこれらの国々の小・中学校、高等学校延べ110校(うち海外74校)での身近な地域のCO₂濃度調査に基づく体験的、探究的な環境学習を支援し、2,300名(うち海外1,600名)を超える児童生徒が参加したことなどが高く評価されました。
また、高田中・高等学校が制作した動画「ゼロカーボンスクール構想」が、令和6年度環境教育・ESD実践動画100選に選定されました。この動画は、これまでの学校周辺のCO2濃度測定や植物の光合成のデータを活用した探究活動と、今後同校が取り組む校内カーボンニュートラルに向けた活動を紹介したもので、審査員からは「学校のカーボンニュートラル実現に向けた様々なアイデアが詰まっている動画です。気候変動教育を進めている学校の参考にもなり素晴らしいです」との高い評価を受けました。
(活動を紹介したURL:https://www.youtube.com/watch?v=ABnB_6Nn4uA)
名古屋産業大学と高田中・高等学校での取組は、海外でも新たな段階を迎えています。
ネパールでは、令和5年12月に現地カウンターパートであるPaschimanchal secondary schoolと環境教育の相互協力に関する覚書を締結したのに続き、「ゼロカーボンスクール」の活動支援に着手したShree shankarnagar Durgadatta secondary schoolが所在するTilottama市の市長からも覚書締結を打診され、令和6年12月に締結予定です。同市長は、覚書の締結を受けて、「ゼロカーボンスクール」の普及に必要な支援に取り組むことを表明しています。
また、台湾では、取組のモデル校である高雄女子高校の「ゼロカーボンスクール」の成果が、アメリカのNASA等が推進する「環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)」国際シンポジウムで最高位の四つ星賞を獲得しました。同校の活動は最高行政機関である行政院教育部が推進する「愛樹教育」と連携、融合した取組に発展しており、令和7年2月には「ゼロカーボンスクール」の普及に向けて、行政院教育部の支援により、高雄市で学校関係者を対象としたフォーラムの開催が予定されています。
令和6年11月末現在、日本、台湾、インドネシア、ネパールの12校で「ゼロカーボンスクール」の活動が行われています。名古屋産業大学と高田中・高等学校は、EDU-Portニッポンの事業による海外展開の取組成果を踏まえ、今後も現地での活動自走化を促しながら、どの国・地域のどの学校においても実施可能な国際通用性のある気候変動教育として、「ゼロカーボンスクール」の普及を図っていくことを目指しています。