特別活動の公開授業、意見交換会を実施
令和5年9月18日、カイロ日本人学校(CJS, 福島愼哉校長)において、エジプト日本学校(EJS)の教員10名を招いて、Tokkatsu(学級活動を含む特別活動)の公開授業および意見交換会が実施されました。日本式教育を導入しているEJSでは、Tokkatsuの実践に力を入れています。調査研究チームのメンバーからは1人が現地で対面、10人が日本からオンラインで参加しました。
小学部1・2年生6名を対象とした学級活動の題材は、「ばい菌バイバイ!手洗い名人になろう」です。原圭吾教諭(教師2人1組のチームティーチングの教師T1)と、外部講師であるサラヤ株式会社の大宮康太郎氏(同T2)が担当しました。活動のねらいは、手洗いの手順と方法を学ぶことを通して、手に付いた汚れやばい菌を除去でき、毎日健康で元気よく生活ができるようになることにあります。
まず児童は事前アンケート結果に基づいて、手を洗ってはいるものの石鹸を使っていない、ハンカチで手を拭いていないといった課題を認識しました。次に、大宮氏(T2)が演じる博士から、なぜ手洗いが大切なのか説明を受けた上で、2グループに分かれ、手にローションをつけて手洗いをし、ブラックライトを当てて、汚れが残っているか確かめました。その後、博士の動きのまねをしながら正しい方法を覚えた上で、もう一度手を洗って汚れを確認し、汚れが落ちることを理解しました。最後に、「ばい菌バイバイ週間」の取り組み表に自分の目標を記入して、どのように手洗いをしたいか意思決定しました。それに対して博士が目標を達成するためのワンポイントアドバイスを送り、授業は終了しました。
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チームティーチングによる授業①
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チームティーチングによる授業②
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授業参観の様子
白熱した議論が展開
公開授業後の意見交換会では、Tokkatsuを日々実践しているEJSの教員から多くの発言があり、白熱した議論が展開されました。
質問及びその回答や感想の一部を紹介します。
質問と回答
質問(EJS) | 回答(CJS) |
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EJSは1週間実践を行って振り返りをしているが、今回、振り返りが2週間後に設定されていたのはなぜか。 | 半月程、実践することで、児童に習慣として身に着くからである。 |
1コマ45分という短い時間で活動するのは難しい。2コマにわたって同じテーマで話合いをすることはあるのか。 | 年間指導計画に従って授業をしており、その中で2コマを費やす必要があるテーマと判断すれば、あり得る。しかし、1コマで完結して日常における実践を促すという方法もある。CJSでは児童の見えるところに手洗いの方法について掲示し、日常での実践を促している。 |
最初は手洗いの時間30秒を測らなかったのはなぜか。 | 目的は正しい方法で手洗いをすることなので、学習の最中は時間を区切らなかった。しかし、最後の活動では、実践する際に30秒という時間を体感してもらう目的で測った。 |
EJSからの感想
- EJSでは、意思決定に向けた話合いの4つのステップ(つかむ・さぐる・見つける・きめる)を児童に示しながら授業をしている。原先生(T1)は明示していなかったが、授業の中に自然に含まれており、児童も意識できていた。EJSでもやってみたい。
- T2が外部講師であるにもかかわらず、T1との息が完全に合っていた。
- 原先生(T1)の時間管理がすばらしく、チームティーチングにもかかわらず時間通りに終わっていた。
- 教師と児童との距離感がすばらしかった。児童が自由に動き発言していた一方で、きちんと改善すべきことは教師が指導していた。